シリーズ「塗料屋の視点」 第5話 価格だけでは、沖縄の建物は守れない。

― 建物を守る仕事は、世界とつながっている。―

「少しでも安く。」

買い物をするとき、誰もがそう考えます。

私も同じです。

しかし、建物を守る仕事は、「安ければいい」とは言えません。

建物を守るのは、人です。

どんなに優れた塗料があっても、

施工する職人さんがいなければ意味がありません。

資材を届ける人がいなければ現場は動きません。

相談できる販売店がなければ、適切な材料を選ぶことも難しくなります。

建物を守っているのは、商品ではなく「人」です。

適正な価格が、技術を守る。

近年、原材料価格や物流費、人件費は大きく変化しています。

一方で、施工価格や公共工事の積算単価は、市場の変化に追いつくまで時間がかかることがあります。

その結果、

利益が残らない。

設備投資ができない。

若い人を採用できない。

教育に時間をかけられない。

こうした状況が続けば、技術を次の世代へ引き継ぐことが難しくなってしまいます。

それは、建物を守る力そのものが弱くなることを意味します。

沖縄だからこそ、支える仕組みが必要です。

沖縄は離島です。

物流コストもかかります。

台風の影響も受けます。

塩害や紫外線など、建物を取り巻く環境も全国とは違います。

だからこそ、沖縄には沖縄に合った建物の守り方があります。

その技術を守るためには、現場だけの努力では限界があります。

公共工事の積算単価が市場の変化を適切に反映すること。

中小企業が設備投資やデジタル化、賃上げに取り組める補助制度が充実すること。

そして、地域の施工会社や販売店が健全に経営を続けられる環境が整うこと。

それらは決して業界だけのためではありません。

沖縄の建物を未来へ残すために必要な社会の基盤だと考えています。

創業60年で受け継いできたもの。

仲里ペイントは創業以来60年、沖縄の建物とともに歩んできました。

私たちが受け継いできたのは、商品ではありません。

「地域の建物を守る」という使命です。

その使命を次の世代へつないでいくためには、

価格だけを追い求めるのではなく、

価値を大切にする社会であってほしい。

私はそう願っています。

最後に

建物は、一度建てたら終わりではありません。

塗り替えがあり、

補修があり、

点検があり、

そして、それを支える多くの人たちがいます。

価格は大切です。

でも、それだけでは建物は守れません。

人が育ち、技術が受け継がれ、地域の企業が健全に仕事を続けられる。

その積み重ねが、10年後、20年後の沖縄の街並みをつくっていくのだと思います。

私たち仲里ペイントは、これからも「塗料を売る会社」としてだけではなく、沖縄の建物を守るパートナーとして、その役割を果たしていきたいと考えています。

次回予告

インターネットで何でも買える時代。

それでも、地域の塗料販売店が存在する理由があります。

「商品を届ける」だけではない、仲里ペイントの本当の役割についてお話しします。