シリーズ『塗料屋の視点』 第2話 私はなぜドル円を見るのか

― 建物を守る仕事は、世界とつながっている。―

私が、毎朝のように確認する数字があります。

「ドル円相場」です。(最近は特に・・・)

「塗料屋なのに、なぜ為替を見るの?」

そう思われるかもしれません。

実は、私たちの仕事とドル円は深くつながっています。

円安は、塗料だけの問題ではありません。

塗料の原料やシンナー、樹脂、添加剤。

マスカーや養生テープ、ローラー、プラスチック容器。

これらの多くは、石油化学製品を原料としており、海外から輸入される原材料や製品に支えられています。

輸入は主にドル建てで行われます。

つまり、円安になるほど、同じ商品でも仕入れ価格は上がるのです。

今日の為替が、数か月後の価格改定につながることも少なくありません。

だから私は、毎朝ドル円を見ています。

為替は、未来を映す鏡。

為替は、「今日」を映しているようで、実は「これから」を映しています。

政治が動く。

金利政策が変わる。

世界情勢が変わる。

市場は、「これから起こること」を予測して反応します。

だから、私も考えます。

「この円安は続くだろうか。」

「次はどんな資材に影響が出るだろうか。」

「今のうちに確保できるものはないだろうか。」

これは投資のためではありません。

お客様の現場を止めないためです。

沖縄だからこそ、先を読む。

沖縄は離島です。

本土で供給が不安定になれば、その影響は時間差で沖縄にも届きます。

「その時になってから考える。」

それでは遅いことがあります。

だから私たちは、少し先を見ながら仕入れを考えています。

必要な商品を確保し、お客様が安心して仕事を続けられるように。

それも、塗料販売店の大切な役割だと思っています。

私たちが見ているのは、数字ではありません。

ドル円は、一つの数字です。

でも、その先には職人さんがいます。

工事を待つお客様がいます。

ホテルがあります。

学校があります。

病院があります。

建物があります。

私たちは、数字を見ているのではありません。

その先にある「人」と「現場」を見ています。

だから今日も、ニュースを見ます。

世界の動きを知ることが、沖縄の建物を守ることにつながると信じているからです。

次回予告

「ナフサ」という言葉をご存じでしょうか。

実は、塗料だけでなく、マスカーや養生テープ、ローラー、シーリング材など、私たちの仕事に欠かせない多くの資材は、このナフサから生まれています。

普段は目にすることのない「原料」の話から、建物を守る仕事の裏側をお伝えします。