シリーズ『塗料屋の視点』 第4話 値上げは、誰かが儲けるため?

― 建物を守る仕事は、世界とつながっている。―

「また値上げですか…。」

ここ数年、お客様から何度も耳にした言葉です。

値上げは、誰にとってもうれしいものではありません。

もちろん私たち販売店も同じです。

できることなら、お客様に価格改定のご案内などしたくありません。

「誰かが儲けているから値上げなの?」

そう思われることがあります。

でも、実際はそんなに単純ではありません。

一缶の塗料ができるまでには、

原油を採掘する人がいて、

ナフサをつくる会社があり、

化学メーカーがあり、

容器を製造する会社があり、

物流会社があり、

塗料メーカーがあり、

そして私たち販売店があります。

そのどこか一つでもコストが上がれば、商品価格にも影響が及びます。

近年は、原材料価格、物流費、人件費、エネルギーコストなど、さまざまな要因が重なり、価格改定が続いてきました。

沖縄だからこそ、影響を受けやすい。

沖縄は離島です。

多くの商品は船で運ばれてきます。

本土で起きた価格変動や物流の変化は、時間差で沖縄にも届きます。

だから私たちは、価格だけを見るのではなく、その背景にも目を向けています。

「次はどの商品に影響が出るのか。」

「今のうちに確保できるものはないか。」

お客様の現場を止めないために、常に少し先を見ながら仕事をしています。

価格には「波」があります。

一方で、私は創業60年の歴史の中で、価格は上がる一方ではないことも見てきました。

オイルショック。

円高・円安。

リーマンショック。

新型コロナウイルス。

その時々で社会は大きく変化し、資材価格も大きく動いてきました。

そして現在、一部の原材料や資材では、ピーク時より価格が落ち着いてきたものもあります。

価格は、上がり続けるものでも、下がり続けるものでもありません。

市場には必ず波があります。

だからこそ、その波に一喜一憂するのではなく、変化を正しく見極めることが大切だと考えています。

創業60年で変わらないもの

私たちは価格を決める会社ではありません。

しかし、価格の背景を理解し、必要な商品を必要な時にお届けすることはできます。

創業60年の歴史の中で、社会は何度も変わりました。

価格も変わりました。

仕入れの方法も変わりました。

それでも、一つだけ変わらないものがあります。

「沖縄の建物を守る。」

その使命です。

私たちが届けたいのは、塗料だけではありません。

現場が予定どおり進む安心。

必要な時に相談できる安心。

そして、お客様が安心して仕事に向き合える環境です。

価格は変わります。

時代も変わります。

しかし、お客様に寄り添い、沖縄の建物を支え続けるという仲里ペイントの想いは、60年前も、今日も、これからも変わることはありません。

次回予告

適正な価格とは何か。

なぜ公共工事の積算単価や業界への支援が重要なのか。

建物を守るために、本当に必要な仕組みについて、仲里ペイントの視点からお話しします。